スコットランドはイギリスの北部の地域だと思っている方がほとんどかと思います。UKは4つの国と地域に分かれています。イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドです。日本人には分かりにくいのですが、もともと別の国だったのをイングランドが力ずくで統一した経緯があります。それを踏まえてユニオンジャックを見てみましょう!4つの国の国旗を重ねた柄なんです。興味深いのは、イングランドは主権国家でありますが、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドにそれぞれの自治権があります。
自治権があるということは、議会が存在していて首相も選ばれます。スコットランドの首相は最近まで二コラ・スタージョンという女性でした。スピーチ上手で魅力的な強い女性指導者でした。献金問題で辞任となりましたが政治問題は横において、個人的には好きな女性でした。現在は初のイスラム系と話題になったハムザ・ユーサフ氏です。首相がいて議会があるということは、独自の法律も存在します。とはいえ、連合国の主権はイングランドなのでイングランドの法律に抵触すると阻止されてしまいます。最近では、出生証明書の男性、女性変更手続きを簡素化する法律です。スコットランド政府は、変更手続きにあたり申請者の精神的苦痛を緩和したいたからと手続きの簡素化を決めました。ところが、イギリス政府は「平等法」に抵触すると拒否権を発動したのです。まだまだ独立志向の高いスコットランド国民が多いところへ拒否権を発動したため、『誇り高きスコッツ魂』に又も火をつけてしまいました。
スコッツ(スコットランド人)は自らの誇りと文化を持っている。と言われる国民です。かといって、イギリス人ほどプライドが高いわけではありません。昔から弱者にやさしく移民の受け入れも積極的に行ってきました。エディンバラにイタリア系のお店が多いのはイタリア移民3世がいるからです。ステイ先のお母さんは「私達は弱い人、困った人を応援するのが好きなのよ。でも強いものには巻かれないの。」とよく言っていました。人助けはするが、イングランドの下には付かない。という意思の現れですね。また、スコッツは攻撃を受けなけれ戦ばわない、防衛的な国民ともいわれます。歴史的にみると、敗戦経験のない国でもあります。
”Wha daur meddle wi me.” 我に触って無事に帰るものはいない
スコットランドの国花は【あざみ】です。日本のあざみと違い背の高いよく育ったあざみを見かけることができます。一見地味ながら美しい花ですが、トゲがあって迂闊にさわれません。それがスコッツです。とはいえ、一般的には人懐っこいので、買い物をしてる最中やバスを待っているときに気軽に世間話をしてきます。初めは私がアジア人だからなのか?と思いましたが、観察している限りそうではなく、近くの人とコミュニケーションをとるのが好きなんだと気づきました。
イングランドから見ると、”スコッツは粗野で無作法な酒飲み”みたいな表現もでてきます。あと、よくあるジョークではスコッツのケチさがフォーカスされたりします。質素なのはイングランドも変わらない印象なのですが…どうなのでしょう?私はスコッツって三河武士みたいだな。と思いました。とにかく、お互い相容れない関係なのだと思います。
連合国の影響はスポーツにもでています。サッカーやラグビーの国際試合はUKではありません。「イングランド」「スコットランド」「ウェールズ」で戦います。①その国に2年間住んでいること ②その国に生まれた親もしくは祖父母がいること のどちらかを満たしていれば選択できます。ただし、1度選択したチームは変更できません。W杯サッカーでイングランドvsスコットランドのマッチが実現したことがあります。パブのスタッフや会場警備は相当大変だったんだろうな。と思います。実際、私がはじめてスコットランドへ短期留学したころ(1996年)はイングランドのサッカーのマッチがあるときはパブに行くな。と警告されたくらいエキサイトします。
UKで改めて自分のアイデンティティについて考えました。自分の日本人としての誇りとは何か。他国の人と比べると自分は日本のことを知らなすぎること、国のあり方もそこまで考えたことがなかったこと。そして、自分がアジア人であるという認識をもつことができました。人種をどうのこうの言われる環境ではありませんでしたが、微妙な違和感を感じる場面がないわけではありません。そういった学びのスタート地点になった場所がスコットランドであったことに感謝しています。
スコッツ友人からもらった言葉 Enjoy your life! 人生楽しもう!
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