1798年創立のこの蒸溜所は、現存するスコッチ・モルト蒸溜所の中で9番目に古い。最初はアルダウアー蒸溜所という名前だったのですが、1825年にブレア・アソール蒸溜所に改名しました。なんでも、蒸溜所の地主が10㎞ほど北のブレア城の城主のアソール公爵だったので、ちょっと胡麻をすったという話。ありそうですね(笑)その後1932年に休止、1933年にアーサー・ベルに買収されましたが、長くサイレントの時代が続き、実際に稼働したのは1949年でした。ベルはブレンデッド・スコッチの有力銘柄で、現在はディアジオ社の傘下にあります。
ブレア・アソール蒸溜所のヤード:ヤードは建物に囲まれたスペースで、多くの古い蒸溜所で見られます。ヤードは以前、原料資材の受け入れや、ウイスキーの樽や糖化粕の出荷に馬車が使われていた時代に、馬車の出入りや荷の積み下ろしをする広場です。
蒸溜所に訪れた初めての場所だったのですが、何とも言えない匂いがします。ピートなのか発酵の匂いなのか分かりませんでした。何にしろ、初めて体験する匂いだったのを覚えています。
ブレア・アソール蒸溜所は、年産で約2,500klpa(kiloliter pure alcohol : アルコール分100%換算のキロリッター)の中規模の蒸溜所です。製法の特徴は、ノン・ピーテッド麦芽を使用し、濁った麦汁を短時間発酵させた醪を蒸溜することにあるため、出来上がるスピリッツは穀物系でややスパイス様の重い風味になります。クリーンでフルーティーなウイスキーを造るには清澄麦汁を長時間発酵させますが、ここではその反対を行っています。
私が初めてウイスキーの蒸溜法&飲み方を学んだ場所です。懐かしい…
見学者の待合室に変わったバーがあります。元は、インバネスよりはるか北のクラインリッシュ蒸溜所で使われていたマッシュタンが不要になったので、ここに運んできて、テイスティング用のバーに改造されました。改造は出来るだけ原型を残し、ウイスキー造りの要の一つの仕込み設備に直に触れてもらうという発想のようです。
テイスティングは楽しいですが、くれぐれも飲みすぎないようにしてくださいね。初めにふれたように、ブレア・アソール蒸溜所のウイスキーはほぼブレンデッド用に使われます。シングルモルトになるのは1~2%のため、大変な貴重品になっています。そう、ここでは買えるんです。お財布の紐を緩め過ぎないようご注意ください。
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