スターリング城を初めて訪れたら、まず手に入れておきたい写真のオーディオガイド。各スポットをより理解するのに欠かせないアイテムです。お城の入り口で日本語ガイドをどうぞ(有料)
そもそも誰が建てたのか不明な初期のスターリング城。1300年前後の数十年間、お城はイングランドとスコットランドの戦争の狭間で両国の間をいったりきたり。戦いの要衝であったため、多くの英雄たちを見てきました。
その中でもウォレスと同時代を生きたスコットランド王・ロバート・ザ・ブルースは、国民的英雄。城門前には彼の像が雄々しく立っています。
お城のテラスからはロバート・ザ・ブルースが1314年に対イングランド戦で勝利した「バノックバーンの戦い」での戦場を臨むことができます。
この戦いの後、城を要衝として大切にするかと思いきや、まさかの行動に。イングランドに利用されないように破壊したのです!結果、現在私たちが見ることのできるスターリング城は、15世紀以降に作られたものがほとんどなのです。気持ちは分かりますが…大胆な行動ですよね。
その影響で、城内には、16世紀の華やかなルネッサンス様式で建てられたロイヤルパレスがあります。イングランドのエリザベス1世に処刑された悲劇の女王、メアリー・スチュアートが幼少期を過ごし、彼女の息子であり、イングランドとスコットランド両国の王位を継いだ「平和王」ジェームズ6世(英国ではジェームズ1世)が教育を受けたのもこの王宮。イギリス史の鍵を握る城と言っても過言ではありません。
アン女王の庭(Queen Anne Gardens)と呼ばれている庭もあります。季節ごとの花が丁寧に植えられていて、お城を回る途中の息抜きにぴったりですよ。端にある大きな木は樹齢200年と言われています。ちなみにアン女王は、ステュアート朝最後の君主であり、同時にグレートブリテン王国の初代王です。
大河ドラマ級の英雄たちを見てきたスターリング城ですが、中におマヌケなヒーローも。
1501年、当時のスコットランド王から錬金術研究の為に迎えられた、フランス人のジョン・ダミアン。彼は鳥の羽をつけてパリまで飛行すると言い、大胆にも写真の城崖からダイブ!もちろん崖下に真っ逆さまでしたが、足の骨を折るだけで無事生還。王様に愛想をつかされるかと思いきや、勇気を讃えられてご褒美をもらったという、なんだかほっこりするお話です。
このスターリング城もエディンバラ城と同じく火山の岩山に建てられたので、お城からスターリングの街が一望できます。ただ、エディンバラ城ほど攻撃されていない(とはいえ8回は攻撃されています)せいか、1度壊されているからか…印象が違います。
エディンバラから1時間くらいで行けるので、私は3回か4回行っているのですが、ユニコーンのタペストリーを眺めるのが好きです。(残念ながら本物はニューヨークにあります)ドイツ人の友人は、昔の兵器や鎧を真剣に観察して「昔のハイランドの兵士って、身体は現代人ほど大きくないし、厳しい環境の中あんな重そうな防具を着て戦うの凄いよね!僕には無理!」って真剣に語っていました。目の付けどことがドイツ人だと思った瞬間でした(笑)
元気のある方は、ウォレスモニュメントまで行って、てっぺんまで登ってくださいねー。
映画「ブレイブハート」に描かれたウィリアム・ウォレスですが、史実とは内容が異なるので、メルギブソンファンのあなたは気をつけてくださいね。何にしろスコットランドの13世紀の英雄に間違いはありません。
ウォレスモニュメントまで行く前に、私ならティールームでスコーンと紅茶をいただきますけどね♪246段の階段を上る前に。
スターリングは日本でいう京都みたいな街で、小さいですが歴史的にも政治的にも重要な役割を担ってきました。そんなに大きくない街なので、散策を楽しんでから次へ向かってくださいね。
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